パリ紀行 2010年春

打ち上げ


パーティ終了後、みんなでお食事に。
私は、人生初“エスカルゴ”を食べました。
おいしい!
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その後、ジャズバーへ。
地下にあるその店は、なんとも雰囲気のいいところで、生バンドのジャズ演奏にうっとり酔いしれます。
演奏台の前には、10畳ぐらいのホールがあり、カップルが踊っています。
それもまたかっこいい。


と、その時!!!

なんともコミカルなフランス人が、いきなり私に手を伸ばしてきた。
「踊ろうぜ」といわんばかりに、エスコートしようとしてくる。

*① 

「  無理ーーーーー!!!

ダンスなんてできないし、日本人やし!

けど、ここであきらめたら川端千華子が廃る。
よっしゃーー!
覚悟を決め私は、人生の大舞台に飛び出した。

手と手を取り合い、なんとかステップを踏む。
しかし、こんなときになんでアップテンポな曲!?
くるっとまわって、合図で反対周り。
なんとなく解ってきたものの、相当激しい運動。
目が回り、浅田真央ちゃんつくづくスゴイ!なんて思いながら、
さっき飲んだコーラを吐きそうになりながら、
私は、人生のノンストップ・メリーゴーランドに乗った気分でした。

やっと演奏が終わり、オエーっとなってるけど、ここは余裕でスマイル(何の見栄?)
華麗に舞台を去りました。                           」


が・・・


2曲後、またあいつが来たーーー


repeat   *①


貴重な経験させてもらいました・・・

残念ながら写真がきれいに撮れなっかったので、お手数ですが各自ご想像下さい。


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彼はバンドのドラムのモワードさん。
いきなりアドリブでグラスをたたいたり、とっても
センスがいい。
演奏後、英語&フランス語で会話をしてすっかり
仲良しに。

彼は自分がいてる日を教えてくれたので、また
聞きにいきます。

そして、こともあろうか、私のひどい踊りを褒めて
くれました。(フランス人も社交辞令か・・・)
















オープニング・パーティ


夕方5時半からパーティです。

ギリギリまで店作り、方付けをしました。

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お菓子を盛りつけ        
マカロンにデコペンで文字を。

          

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ゴシック・ロリータの店ならではの、桜の装飾。      
この街は、日本マニアのフランス人が多いのです
                              

「桜」の文字のマカロンは
僕にキープさせてくれと、ゲストのおじさんが。
千代紙で包んであげました。
                                             
                           
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尺八の生演奏。
入江要介さん。独特です。
日本の音色がパリ6区に響き多くの
人が集まります。









そしてなんと! DSCF1562
憧れのロック・ドミニックが来てくれました。
私のオブジェを見て「美しい!このバラ紙で
作ったの?」と興味深深。

感激です。


多くのお客様が来てくださり、無事オープニング・パーティは成功に終わりました。
                                                                                                                            

DSCF1563  こんな格好をするのは最初で最後です。(笑)
私は、普段黒を着ないので、抵抗ありましたが
いい記念になりました。         


オープン前日


フランス人はいい加減、と良く耳にしますが、本当でした。
(もちろん全フランス人がそうではありませんが)
「時間厳守」 「期限」 「焦る」 「計画性」 という言葉は彼らの辞書にはなさそうです。
明日がオープンだというのに、壁の塗装やドアの取り付け、その他もろもろ・・・
ほんまに終わるの?!
というとんでもない状況。
私がオーナーだったらきっと発狂です。
実際、パリで事業をする日本人は準備段階であらゆる段取りが狂い、精神的に参って倒れる人が多いらしいです。

でもこれは文化の違いと呼ぶ他ありません。

ストレスを溜めるだけ無駄なようです。


それなら手伝うしかない!

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ペンキで壁を修正





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ミシンで試着室のカーテン縫います





私のメインの仕事オブジェ作りは、いつになればできるの~!?


そして夕方、ようやくスタート。


まず店の前でジェロームと       DSCF1498
ハイ、ポーズ


DSCF1502この網を使います




 
DSCF1518天井から吊るします。

難かしかった・・・








羽をつむいでいきますDSCF1525

やわらかく、やわらかく



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もくもくと。

 







イメージを形に。

パッと浮かんだデザインを実際形にする為の方法を考えるのは大変。

できそうだけど物理的に無理なことも多い。



   
 
DSCF1539作業は夜にまで。








 
 DSCF1534  そしてまもなく完成です。


黒いのは、薄紙で作ったバラです。




                                                                                                                      
                                      
道行く人が、足を止めて私のオブジェをみてくれます。
私もかろうじてわかる、フランス語の褒め言葉が聞こえてきます。
まさか、パリの中心街の6区で、私がこんなことするなんて夢にも思いませんでした。
作業を終え、店から離れぼんやり眺めました。
少し泣きそうでした。



オペラで迷う   しかし!


今日は、友人のユカが日本から来る日。
彼女は約1週間滞在します。
彼女を迎えに、空港へ。
オペラからシャトルバスに乗ります。

け ど地図を読むのが苦手な私は、そんなに複雑じゃないのに迷いました・・・
フランス語で道を聞きますが、答えてもらってる内容が理解できません。
5 人ぐらいに聞きましたが、わかりません。

その時。

二人の日本人の方が、声をかけてくれました。
偶然にも彼女達も 空港へ。
あ~神様!ありがとう!!

二人は、ミラノで暮らしています。
帽子のデザイナーさんと、声楽を勉強されてる方と。
「良 かったら、ミラノに遊びにおいでよ!」
とうれしいお誘い。
5月に湖にピクニックに行くらしくぜひ一緒にって!
パリ滞在中、どこ か近場の国に遊びに行きたいと考えていたので、即決めました。
1時間半ぐらいで片道1万円ぐらいでいけるみたい。

そして彼女たち から、パリにある日本人の教会を教えてもらいました。
「何か困ったことがあれば、そこに行けばきっと力になってくれるよ」って。

本 当にありがたい出逢いです。

1時間後、無事空港に到着。
再開を約束し、彼女達とお別れ。

ユカともちゃんと会えて 良かった、良かった。


VERNAISON 蚤の市  ~二日目・シャンソンバー~


昨日、偵察をして今日は決断&購入です。

見つけたおもしろいものを何点かご紹介します。

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そしてランチはシャンソン・バーに連れてもらいました。
情熱的なシャンソンの生演奏を聴きながらのランチは最高!
こちらでは、ランチからワインを飲みます。
お酒が苦手な私も少し飲みます。


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その日の夕方。

急遽、ブティックのウィンドウディスプレイを私がさせてもらえることになり、
その材料を探しに、東京ハンズみたいなところへ。
オープンは25日。
本当に急な提案だったので大急ぎで買出し。しかも閉店30分前に到着!
オブジェに必要な材料を瞬間で考える。
網やら、羽やら、紙やら、ペンチやら・・・
“借り物競争”並みの勢いで、店内を走ります。
閉店ぎりぎりで何とか材料が揃いました。

もう、へっとへと。

でも楽しかった☆


VERNAISON 蚤の市 ~Rock Dominiqueとの出逢い~


さて、今日から本格的にみきさんのブティックの手伝いです。
本日はパリ郊外にあるアンティークな蚤の市にみきさん&ジェロームとやってきました。
ここで店に置く、鏡やテーブルなど買います。
ちなみにお店は「ゴシック・ロリータ」の店です。
私のイメージからはかけ離れてますが。


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ここら一辺がまるで美術館のよう。





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そしてこちら渋すぎる方、ロック・ドミニックさん、芸術家。
彼は、自分で服やオブジェを作ります。
彼の店には、彼の感性であふれた作品がいっぱい。
私は、自分と似た色彩を使う彼に魅せられて、自分の作品集をみせました。
(私は、何か会ったときの為、どこへ行くにも持ち歩いているのです)

ロックはとても感動してくれました。
そして
「今度、僕がギャラリーをするとき、ぜひ一緒にやらないか」
と、信じられない一言。
ロックは繰り返し繰り返し私の写真集を見ていました。

実際、本当かどうかは未来にならないとわかりませんが、そうなればいいのにと願わずにはいられません。


あともう一つ、この蚤の市内で知り合った、家具売り場のおばさまと仲良くなり、日本が大好きという花屋さんを紹介してくださいました。
「私の紹介といいなさい」
そして彼女は紹介状代わりに自分の名刺を持たせてくれました。


あーーーーうれしい。

私の胸は、最高潮に高鳴り、一つの光がみえました。


こうして、コミュニケーションがとれたのも、一緒にいてくれたみきさん&ジェロームのおかげ。
本当に感謝です。




その夜、夜のノートルダムに散歩。
ほんとにきれいでした。



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そして一日はまだまだ終わることなく、深夜のラグビー観戦をみにバーに連れて行ってもらいました。
そこは日本のバーでワールドカップ観戦に集まる男子の10倍ぐらいの激しい熱気で、フランス人男性の素性を知るおもしろい社会見学になりました。


とても刺激的な一日でした・・・・



カム・バック  in Paris




歓迎会
戻ってきたー。
私の第二の故郷(予定)、パリに入国。

初一人旅も快適になって来て、経由のオランダの空港内ではうきうき買い物まで。

パリのシャルル・ド・ゴール空港へは、みきさんとパートナーのジェロームが迎えに来てくれた。
「よく来たね!」と手作りの花束をくれた。
花屋が閉まってたからって自分で作ってくれたらしい。
私は仕事柄、自分が花をもらう事がほとんどないので感激だった。
夜遅いにもかかわらず、歓迎会をしてくれた。
すっかり和みながら、会うのが今日で2回目なんて信じられないほど。

アパートまで送ってもらって、部屋を借りる方と初対面。
とても親切な方で安心。

あまりにもあわただしい毎日で、時間に気持ちが追いつかないまま、この日を迎えた。


これからどんな暮らしが、はじまるんだろう。


いざ出発  ~後編~


涙もようやく乾き、搭乗口へ。

そこで、またもや私のパリ行きを邪魔する魔物が。
急いで買った馬鹿デカイかばんが持ち込みできないサイズらしい。
飛行機は目の前やのに、くっそ~!!

「じゃあ、どうしたらいいんですか?!」
逆切れ。
2.3人の空港スタッフが来て相談。


あーーー!!!
その手があったかー!!!

私は急いでかばんに入ってた、じいちゃんのタイヤゴムを出し、スタッフドン引きのなか、かばんを折って、ぐるぐる縛った。
そして、ラガーマンのようなこっけいなポーズで不自然に縛ったかばんを抱え何とか機内に持ち込み終了。


お母さんてほんまスゴイ。


いざ出発   ~前編~


結局ほとんど寝れずに空港へ向かう。
いいってゆってるのに母見送りに。

母はとても忙しい人。
自分のことより周りのお世話に追われてる。
そんな母は初めての関空に大はしゃぎ。
「旅行に来た気分」
ああ、いつかパリに一緒に連れていってあげたいなあ。

私の荷物はとても重く、付いてきて貰って良かった。


ところが・・・


荷物チェックでまさかの重量オーバー!!
手荷物に3kg移せと。
無理!  手荷物は、はちきれんばかりにぱんぱん。

初めてのことにパニック。

チェックインまであと少し。
私は逆境に打ち勝つ神様を呼んで、空港を走り回り、奇跡的なスピードで
相当安値の1780円の変な馬鹿デカイかばん購入。
そこにスーツケースの荷物移す。
恥を吹き飛ばし、スーツケース開封。
わーーーーーー!!
またジップロック膨らむ。
半泣きでなんとか間に合い、へとへと。


チェックインご搭乗まで30分ぐらい、余裕ができようやく落ち着いた。
「これ持って行き」
母が渡してくれたのは、死んだじいちゃん(頑固な芸術家)が作ったゴム。
ちなみにこのゴムはタイヤから作ったらしく、絶対切れない優れものらしい。
「いらんわ、こんなん何に使うんよ!」
「何かの時役に立つから、持っていきなさい」

しぶしぶ持たされた。

「そろそろ行くわ。」

出発口へ。
ここでいいって言ってるのにぎりぎりまで見送ると母。

「お母さんのことは何も心配しなくていいから、あんたは自分自身のことだけ考えて行きなさい。お母さんもあんたを見送ったら、一切心配しないから。」

・・・・・・・・・。

「じゃあね。」


私は泣きそうになるのを隠して愛想なくいきました。
搭乗口は長く人の列ができていて、なかなか進まない。
そこはガラス張りになっていてて、こっちを見ている母が視界に入る。
やばい、やばい。
我慢してたのに涙が頬をつたる。

私は32年間、ずっと実家で暮らしたので、永く母と離れたことがありませんでした。

いろんな想いがこみ上げ、涙が止まりません。

こっそりハンカチで涙をぬぐってチラッとガラス越しに母をみた。


絶句!!!


母は何と変なポーズで私を笑かせてくるのです。
しいていうなら、ラジオ体操第二のガッツポーズみたいなやつで手をピースにしてる。

やめてくれ~

並んでる人達がクスクス笑ってる。

私も泣き笑い。

おかしすぎて、笑うしかない。
そしてまた泣く。

母は全てわかっていた。


私が小さくなるまで、ずっとピースする。
ずっとずっと人の影にまぎれて見えないはずなのに見てる。


海外の人とのコミュニケーションになるからと、チェルシーをくれた母。
実は、私は自分で買ったチェルシーをスーツケースに忍ばせていた。
さすが血のつながり。

私が過去、花屋の仕事中、ハサミで深く指を切り、たくさん出血した日、
母に怪我したことなんか伝えてなかったのに、偶然夕食にレバーが出て驚いたこと。

結婚の約束をし、永く付き合っていた人と別れたとき、母も悲しむかと思って隠してたけど、ついに言ったとき「乾杯や!!」と意表をつくリアクションをし、本当にビールを飲みだした母。




お母さん、ありがとう。




好き勝手、自由奔放な私は、いったいどれだけの心配をかけてきたんだろう。
けどこれが最後の心配になりまうように。
私は、今回のパリ滞在を絶対に将来につなげる。

強く思いました。



出発前夜祭


こんなに切羽詰るとは・・・
出発三週間前ぐらいから、なぜか仕事の注文が急速に増え、時間が全然足らなくなった。
何も用意できてないまま、前日に突入。
旅行の買出しに行けたのが夕方5時。

スーツケースを出したのが夜9時。

三カ間も滞在するのにどうしよう!!

10時前に友人訪問。

見かねて一緒に荷作り。

友: 「圧縮袋ある?」 
私: 「ない、ゴミ袋ならある」
友: 「じゃあ、それに服入れて密封して小さな穴あけて掃除機で吸おう」
私: 「オッケー! まかして!!」

10分後

私: 「できた!さすが私、完璧な密封や。」

友人絶句・・・
私は中身を入れずにただゴミ袋のみをガムテープできれいに止めてました。
自分のアホさ加減にホトホト嫌気さしながら、泣く泣くきれいに貼り付けた部分をハサミで切り、今度はちゃんと服を入れてもう一度密封。

その時うちの母登場。

母: 「何やってるん!圧縮袋あるで。持ってくるわ」
私: 「なんや、あるんや。」

5分後

母: 「これやこれ。」

母が去ったあと友人がポツリ。

友: 「これ、ジップロック・・・・・」

しょうがないので、ジップロックに服入れてギューっと空気抜く。
何とか詰めれた。

夜中、入れ忘れを入れようとスーツケースあけて、ぐちゃぐちゃ触ってたら
こともあろうか、ジップロックに空気が入り次々と膨らんでいく。
わーーー!!!

おかげで寝たのは明け方5時。

まあいっか。