パリ紀行 2010年春

プレゼント


予期せぬ、プレゼント。

なんと、レザがエプロンをくれました!

すごくすごくうれしくて、飛び跳ねました。

ここで働いたという証。

私の誇りだ。


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ちなみに“L’artisan fleuriste” とはフランス語で「花職人」。



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私が作ったプチアレンジとブーケ。
どこの花屋でも同じですが、作り置きの商品は、余った花やあまり人気のない使いにくいもので作ります。
見栄えのいい花で可愛く作ることは簡単で誰でもできます。
私に与えられた花材・・・

胡蝶蘭の残り、グネグネに曲がったオオ二ソガラム、あらゆる箇所がちぎられたラン、枯れかけの菊、大阪のおばちゃんチックな真っ赤なカーネーション。

これで作れと?!

しかもプチアレンジ???

けど私は変態なので、無理難題を言われると燃えるのです。

最小限で最高のものを作ってやる!!!

私は、頭を空にしました。

そして花と向き合います。

「かわいくしてあげるからね」

と、心の中で話します。



花  と  私。



小さなアレンジを5個ぐらい作りました。
全部バリエーションを変えました。

そこに、お兄さんのマージンが。

びっくり顔のマージン。

「fable!」

「え?!何? Quel?」

マージンは私の辞書を引いて、見せてくれました。
そこには

“想像を絶する” と書かれていた。


一番うれしい褒め言葉だった。     DSCF1871









そのあとそのアレンジは3つ続けて売れた。

売れるたびにスタッフが、にやっと笑いかけてくれる。
私はピースで答える。


日も暮れ始めた頃、マージンがおもむろに辞書をめくり始めた。

みんな、私に言いたいこと、教えたいことがあるときは、私が置いてるこの辞書をひいて伝え、発音も教えてくれる。

指差された、その箇所には


「 copain  ・・・  仲間  」

マージンは自分と私を指差す。

もう・・・泣かさんといてよ。


「 Merci !! 」


ぎゅっと抱き合い、私は外に出て、マージンにばれないように少し泣いた。






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(マージンとジャンと私でサボテンのうえかえの図)




フローリストの仕事


二日目にして、テンションマックス!

この日もいろいろ作りました。


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ジャーミンとペアでディナー用の
アレンジを制作。
お互いアイデアを出し合い、さくさく仕上げる。
言葉を使わず、相手がどうして欲しいかを
探り合う。
フローリストならではの究極の
コミュニケーション。




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オーダーのブーケ作りました。





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“Bouquet au chaampetre”
~田舎風のブーケ~




DSCF1824 ジャン。渋いおっちゃん 











私のブーケが売れた! レザが包む。  DSCF1843


Chico


記念すべき初仕事。

朝は開店準備から。
レザが、スタッフみんなに紹介してくれる。

「J’mappel  Chikako!」  (チカコって言います)

と挨拶。

けど、みんな発音できないのか、

「チコ!!  カモーン!」

そう、私はChicoというフランスネームをもらいました(笑)
日本人離れした感じで気に入ってます。


スタッフは全員男性で、面接は顔重視ですか?!とつっこみたくなるぐらい男前(ほんまに余談です)  


DSCF1808DSCF1810DSCF1804 車かわいい



仲良しになったジャーミン君        






みんなとっても優しく、
働きながらいろんなフランス語を教えてくれます。

私は、働けるといっても、掃除や水変え、洗い物がメインだと覚悟してましたが、何とオーダーのブーケを作らせてもらえました!!
これはチャンス。
仕上がりを見に来たレザが
「Perfect!」
と一言。
年配のアリも
「Ce bon!!  magnifique!」  (いい!すばらしい)
とうれしい褒め言葉。
うきゃーーーと心の中で発狂しました。

それから、ブーケは私がほぼ作らせてもらいました。

閉店準備では、言葉を交わさなくても息がぴったり。
言葉が分からない代わり、勘がものすごく働いてるように思います。


久々に、花に触り、土に触り、
自分の目指してた場所にたどり着けた今日。



昨年11月のあの日  「私、ここで働く気がする・・・」

そう言ってほんまに4ヶ月後、ここにいる奇跡。



思い描いてた夢が一つかないました。

体を動かして、気持ちのいいくたくた。


「Chico!  Merci!!」

帰りにレザが言ってくれました。




明日も精一杯やろう。


DSCF1821DSCF1812レザと
作業台の上











さくらさく


ここんとこ、ずっと家にこもってフランス語勉強してました。
やればやるほど自分のできなさに焦り泣きそうになる。
けど、これは、超えないといけない。


パリにきて早くも3週間。
いろんな事ありすぎて、自分がわからなくなったり、ホームシックになったり。

私が来た一番大切な目的。
パリ本場の花屋さんで自分を磨くこと。

けど、言葉の壁が大きく目の前に立ち、私は自分の考えが甘かったのか・・・とか、マイナススパイラルへ落ちていく。
でも、やるしかない。
私がブログを書いている理由。
心の中も公開しているのは、自分から逃げない為。
自分で決めたことをやり遂げる為。

とことん集中しました。
自分をアピールする文、何がしたいかを書き出し、フランス語にして覚えます。


そして、本日。


11月の旅行で、一目ぼれした花屋さん、「L’artisan fleuriste」
に行くことを決めました。
(ブログ:ついに来た!の巻参照)
何百とある花屋の中から、ここ!って直感で決めてました。

行く前に、私は、原点を思い出すために、エリック・ドンフ氏と出逢った、あのカフェに立ち寄りました。
マスターは私を覚えてくれてるかな・・・

覚えてくれてました(涙)DSCF1794
あの日のままの優しい笑顔。
うれしっくて抱き合う。
そしてあの日と同じ、ホットココアを注文。

おいしい。
あったまる。

そのココアは私に落ち着きを取り戻してくれました。

私は、マスターに自然にフランス語で話してました。
マスターは普通に答える。
あ、伝わってる。
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そして、いざ出動!!
もう一回公園で最後の練習。

よっしゃゴーーー!!!


いた~、オーナーのレザ氏。
心臓バックバク。

「Vous vous souviens de moi?」  私の事覚えてますか?

そしたらレザ氏は、目を見開いて

「Bien sur !!!」   もちろんだよ!

あかん、泣きそう。

私は、つたないフランス語で必死に話しました。

そしたらレザ氏は、「おいで」と近くのカフェにつれてくれました。
そして、聞き取りにくいであろう私の言葉を真剣に聞いてくれました。

私は自分の作品集もみせました。
するとレザ氏の目がキラキラしはじめた。
「すばらしい、問題ない。」
といい、
「明日来れるかい?僕のアシスタントをしてくれるか?
2店舗あるから、忙しいけどね。一緒に動こう。」

彼のもとで2週間働かせてもらえることになりました。

憧れのトップ・フローリストの元で花を学べる。

この日を夢見てここまで来た。

強く想えば、伝わるんだ。



帰り道、うれし泣き。
もう何も怖くない。

明日が楽しみだ。









祝☆はじめての散髪


あーーーー髪の毛うっとおしい!!

と、我慢できなくなり、ドキドキ一人で初、パリの美容室へ。

まず、カットの値段確認。
36ユーロ、日本円で3800円ぐらい。
よし、くるくる床屋ではなさそう。

私の担当はまあまあパンチの効いた40代女性。
少々のフランス語とザックザックやパッツンなど変な擬音でイメージを伝える。
私はもともとショートなので、万が一おかしな事されたら、おしまいだ。
清水の舞台から飛び降りる気持ちで、挑んだ。

美容師、いきなり歌い始める。
なぜかノリノリ。
そして手にはバリカン。

バリカン?!
ええ!!!   バリカン???

私、女ですが・・・・


彼女はバリカンで私の毛先を刈りだした。
もう、どうにでもなれという投げやりな感情。
全く想像つきません。
けど、時間がたつにつれ、いい感じに。

結局彼女は、はさみを一切使わず、ほんまにバリカンのみで見事に
斬新なショートヘアにしてくれました。


衝撃でした。

またいこ♪







ついに来た!


この旅の目的の一つでもあった、Eric Donfu 氏との再会。

前回11月のパリ旅行で、私とEricは実に不思議な出会いをしました。
私はその不思議な偶然を「ピカソのいたずら」と呼んでいるのですが・・・

私はピカソが大好きで、11月のツアーでピカソ美術館に行く予定でした。
ところが、前日、現在休館中との情報。
がっかりしていた私に、ツアー仲間が本当に休みなのか、ホテルのスタッフに聞いてくれました。
そしたら、今だけ開いてるとの事。ラッキー!
もちろん、行きました。
そしたら、しまってる~
フランス人のうそつき~!!と嘆いていました。
がっくり肩を落としていたら、目の前に一軒の花屋が。
私はふら~っと入っていきました。
目に飛び込んだのは、真っ赤なブーケを束ねる、ダンディなフローリスト。
私は、彼の作るブーケにほれました。
無謀にも「今度また来るから、その時働かせてほしい」と
無茶苦茶なフランス語&英語&ジェスチャーで伝えました。
「Oui !」
と、彼。ほんまかいな・・・と思いましたが、記念撮影して、サインもらって、しつこくお願いして帰りました。
絶対また来る!と強く思いました。

そして、その後、ふと目に入ったカフェで休憩。
私達は女性4人で入りました。
すると、そこにいた、ある常連客が、イノシシばりの勢いで私のとこに来ました。
そして、凄く熱くフランス語で何か訴えてきます。
しかし、さっぱり理解できません。
私も負けじと関西弁で、
「ええ?! 何? わからんって!」

けど、数分発つと、なんとなくわかってきました。
そのカフェには、何と本物のサイン入りのダリの絵とピカソの絵が飾ってたのです。
彼は、そのダリの絵を携帯の待ち受けにしてて、どうやらそれを私に送信してあげると言ってるようです。
私が携帯を出して
「ピーか?」
っと赤外線受信のジェスチャーをすると、
「Oui Oui Oui !!!!!」
そして彼はすぐさま行いましたが、日本とフランスの携帯、機能がちがいできません・・・
「もう、いいって~」
といってもあきらめません。
しかも、もう一人の常連客に、「君のから彼女に送ってやってくれ」
と人を巻き込む始末(笑)
すると常連客Bは私に、自分の待ち受けを見せてきました。
そこには、一人の老婆が。
「my mother」
彼はうれしそうに私に見せます。
そして一言、
「Last year die・・・」
「・・・・・・・・。」
そんなん行きずりの私に言われても。

そんなこんなで、すっかり彼らと仲良くなり、
私は、さらに強く、またここに戻ってくる、と感じました。

帰国後、私とEricのメールのやりとりがはじまりました。
Ericは英語を話さないので、全てフランス語。
文字化けはするし、全くわからない。
私は、翻訳サイトや辞書を駆使して2時間かけて読解しました。
返事は3時間はかかります。
けど、このやりとりが、後に繋がる予感がしてたので、私は、睡眠時間を削っても続けました。
おかげで、文はなんとなく読めるようになり、(まだまだですが)
その後、フランス語教室でも文法はすぐ理解できました。

そんなやりとりで、私をより熱くさせた言葉があります。

「私は、君に素晴らしい才能があると確信している。
君がフランスで美しく前進する為に、言葉を覚える為に、私とメールを交換するんだ」

目頭が熱くなり、私はボロボロ泣きました。

親子ほど、歳の離れた私達。

あの日、ピカソが繋げてくれた不思議な縁。


そして、何通もやりとりをしたある日、いったい彼は何の仕事をしてるんだろう?
と、素朴な疑問から、彼に質問しました。
すると「僕の名前をインターネットで検索してごらん!」と。

なになになに~?!

ドキドキして調べました。


えええええええーーーーーー!!!


腰抜ける。



まずWikipediaがでてきた。

ご興味ある方、こちらをどうぞ。
フランス語ですが、「翻訳」というキー押したら日本語でも見れます。

http://images.google.co.jp/images?q=Eric+Donfu&oe=utf-8&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&ei=S7G7S83FIoWZOJbW8aMI&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=4&ved=0CCYQsAQwAw


私、何て人とメールしてたんや!!



といういきさつで、今週中に、再開します♪

でも私、まだまだフランス語話せないし、どうなることやら・・・

まあ、なんとかなるはず。



キラキラ・サタデー


ちょっと憂鬱な気分だったこのごろ。

この日は知人に誘われ、初めての街へ。

今日も朝から雨が振ったりやんだり。DSCF1687

まず、初めに行ったのが、パリの市庁舎。
まるでお城。
すっごく大きい。              

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太陽がすごい勢いで輝き始める。



散歩してると、セーヌ川から、虹が!!!
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きれー!!!
泣きそう。
私は、心の中のモヤモヤが去って行くのを
感じました。そして、本来持っている「自分」の
エネルギーが戻るのを感じました。 



この日の雨上がりの太陽と虹は、パリのどん伝統的な建物より勝り、キラキラと美しく、鮮明に私の脳裏に焼きつきました。

それは、あっという間の出来事。
すぐに虹は消えてしまいました。

そのあと、雨で濡れた街並みは、たくさんのガラス玉が弾けたように
眩しく輝いていました。


自然のパワーがこんなにもすごいって改めて感じました。




 



ひとり



10日間滞在していた友人が、今日日本へ帰りました。

早朝私達は、タクシーでオペラに向かいました。
そこから、空港行きシャトルバスに乗った彼女を見送る予定でした。
けど、彼女がバスに乗り込む、瞬間
「空港まで行こうか?」
とっさに出た言葉。
彼女は私の急な思いつきにうれしそうでした。

空港までは1時間以上バスに揺られます。

昨日いろいろなトラブルがあり、私は、とても心が疲れてました。
彼女は、そんな私をとても心配していました。
「連休がとれたら、3泊4日でももう一回来ようかな・・・」
そんなこと無理なのに、その気持ちがうれしい。

空港で最後のバイバイ。

このまま行ったら日本に帰れるんやな・・・
なんて情けない感情が頭をよぎりました。


今日は快晴。
パリの春の太陽はまぶしい。

これからが勝負だ。

空港からの帰りのバスに一人揺られ、私は本当の意味での「出発」を感じました。


部屋に帰り、周りをみわたす。
ほんとに一人だ。
彼女が私の為に置いていった、かぜ薬。サロンパス。飴。
彼女は、なれないパリでの生活の基盤を一緒に作ってくれました。
最初使えなくて困っていたパソコンを直してくれました。
何かあったときの日本大使館やその他の多くの情報をくれました。
壊れた電話を思いつかない方法で使えるようにしてくれました。
彼女のおかげで、安心して生活ができます。

私は、何もしてあげれなかったなあ・・・

と、ちょっと後悔。


そして、誰もいない部屋で、ぽつんと一人。
今まで忙しくて見ないようにしてた、心の隙間が現れ、一気に寂しさにのみこまれてしまいました。
家族や友人の顔が次々出てきて、わんわん泣きました。

私は、わりと自分の感情を素直に受け入れて生きているので、我慢することなく、この孤独にどっぷりはまろうと思い一時間ほど、友人にもらった手紙を何回も 読んだり、さんざん泣きました。

そしたら、普通におなかがすいてきました。

よし、大丈夫だ。



明日もがんばろう。




モンマルトル・サクレクール寺院


モンマルトル駅付近の「サン・ジャン・ド・モンマルトル教会」

とても神秘的でした。

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そしてサクレクール寺院から見たパリの風景。
ここはパリで一番高い場所。

残念ながら、寺院は撮影禁止です。





あそして芸術家が集まるモンマルトルの広場。

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何人かとお話しました。
あ~私も久しぶりに油絵描きたくなってきた・・・





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パリの街の落書きはかわいい。
日本のヤンキーや暴走族も見習って欲しい。


 









この日の晩は、トマト鍋作りました。


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パリ教会 & 夜のエッフェル塔


短期間であまりにもいろんな事がありすぎて、時間に対して気持ちがついていけてない状態でした。
一度、心をクリアにしたいと思い、ミラノのお二人に教えていただいた、“パリ教会”に行ってきました。
賛美歌を歌い、だんだん心が軽くなります。
日本人ばかりの教会なので、張り詰めていた緊張感もほぐれ、リラックスできました。
礼拝を受け、その後、クリスチャンの方々と、いろいろお話しました。
こういう場所があると、いいですね。
また来週も行こう♪


そして、夜。

ジェロームがエッフェル塔に連れてくれるってことで、行って来ました!
前回は、外からしか見れなかったけど、天辺に行けるなんてうれしい。

                                                          

エッフェル1夜景1


     頂上からみた、凱旋門。

      幻想的できれい。



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              決まった時間に光る         







 

                                                   

                                                  
そのあと、贅沢にも老舗のフランス料理「LIPP」 というところでごちそうになりました。
ちなみに食べはじめが夜中12時半。
こちらでは、お年寄りもこんな時間にガッツリ食べてます。


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ヒラメのムニエル






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