3月 2010

いざ出発   ~前編~


結局ほとんど寝れずに空港へ向かう。
いいってゆってるのに母見送りに。

母はとても忙しい人。
自分のことより周りのお世話に追われてる。
そんな母は初めての関空に大はしゃぎ。
「旅行に来た気分」
ああ、いつかパリに一緒に連れていってあげたいなあ。

私の荷物はとても重く、付いてきて貰って良かった。


ところが・・・


荷物チェックでまさかの重量オーバー!!
手荷物に3kg移せと。
無理!  手荷物は、はちきれんばかりにぱんぱん。

初めてのことにパニック。

チェックインまであと少し。
私は逆境に打ち勝つ神様を呼んで、空港を走り回り、奇跡的なスピードで
相当安値の1780円の変な馬鹿デカイかばん購入。
そこにスーツケースの荷物移す。
恥を吹き飛ばし、スーツケース開封。
わーーーーーー!!
またジップロック膨らむ。
半泣きでなんとか間に合い、へとへと。


チェックインご搭乗まで30分ぐらい、余裕ができようやく落ち着いた。
「これ持って行き」
母が渡してくれたのは、死んだじいちゃん(頑固な芸術家)が作ったゴム。
ちなみにこのゴムはタイヤから作ったらしく、絶対切れない優れものらしい。
「いらんわ、こんなん何に使うんよ!」
「何かの時役に立つから、持っていきなさい」

しぶしぶ持たされた。

「そろそろ行くわ。」

出発口へ。
ここでいいって言ってるのにぎりぎりまで見送ると母。

「お母さんのことは何も心配しなくていいから、あんたは自分自身のことだけ考えて行きなさい。お母さんもあんたを見送ったら、一切心配しないから。」

・・・・・・・・・。

「じゃあね。」


私は泣きそうになるのを隠して愛想なくいきました。
搭乗口は長く人の列ができていて、なかなか進まない。
そこはガラス張りになっていてて、こっちを見ている母が視界に入る。
やばい、やばい。
我慢してたのに涙が頬をつたる。

私は32年間、ずっと実家で暮らしたので、永く母と離れたことがありませんでした。

いろんな想いがこみ上げ、涙が止まりません。

こっそりハンカチで涙をぬぐってチラッとガラス越しに母をみた。


絶句!!!


母は何と変なポーズで私を笑かせてくるのです。
しいていうなら、ラジオ体操第二のガッツポーズみたいなやつで手をピースにしてる。

やめてくれ~

並んでる人達がクスクス笑ってる。

私も泣き笑い。

おかしすぎて、笑うしかない。
そしてまた泣く。

母は全てわかっていた。


私が小さくなるまで、ずっとピースする。
ずっとずっと人の影にまぎれて見えないはずなのに見てる。


海外の人とのコミュニケーションになるからと、チェルシーをくれた母。
実は、私は自分で買ったチェルシーをスーツケースに忍ばせていた。
さすが血のつながり。

私が過去、花屋の仕事中、ハサミで深く指を切り、たくさん出血した日、
母に怪我したことなんか伝えてなかったのに、偶然夕食にレバーが出て驚いたこと。

結婚の約束をし、永く付き合っていた人と別れたとき、母も悲しむかと思って隠してたけど、ついに言ったとき「乾杯や!!」と意表をつくリアクションをし、本当にビールを飲みだした母。




お母さん、ありがとう。




好き勝手、自由奔放な私は、いったいどれだけの心配をかけてきたんだろう。
けどこれが最後の心配になりまうように。
私は、今回のパリ滞在を絶対に将来につなげる。

強く思いました。



出発前夜祭


こんなに切羽詰るとは・・・
出発三週間前ぐらいから、なぜか仕事の注文が急速に増え、時間が全然足らなくなった。
何も用意できてないまま、前日に突入。
旅行の買出しに行けたのが夕方5時。

スーツケースを出したのが夜9時。

三カ間も滞在するのにどうしよう!!

10時前に友人訪問。

見かねて一緒に荷作り。

友: 「圧縮袋ある?」 
私: 「ない、ゴミ袋ならある」
友: 「じゃあ、それに服入れて密封して小さな穴あけて掃除機で吸おう」
私: 「オッケー! まかして!!」

10分後

私: 「できた!さすが私、完璧な密封や。」

友人絶句・・・
私は中身を入れずにただゴミ袋のみをガムテープできれいに止めてました。
自分のアホさ加減にホトホト嫌気さしながら、泣く泣くきれいに貼り付けた部分をハサミで切り、今度はちゃんと服を入れてもう一度密封。

その時うちの母登場。

母: 「何やってるん!圧縮袋あるで。持ってくるわ」
私: 「なんや、あるんや。」

5分後

母: 「これやこれ。」

母が去ったあと友人がポツリ。

友: 「これ、ジップロック・・・・・」

しょうがないので、ジップロックに服入れてギューっと空気抜く。
何とか詰めれた。

夜中、入れ忘れを入れようとスーツケースあけて、ぐちゃぐちゃ触ってたら
こともあろうか、ジップロックに空気が入り次々と膨らんでいく。
わーーー!!!

おかげで寝たのは明け方5時。

まあいっか。


パリ3ヶ月滞在にいたるまで


昨年11月末、花の研修ツアーでパリに行きました。
研修の内容云々よりも、奇跡的でミラクルな出逢いがありました。
その中でも帰りの飛行機でたまたま隣の席に座った、みきさん。
彼女は、春、パリでブティックをオープンします。
たった12時間の中で、私達は多くを語り、初対面とは思えないほど仲良くなりました。
パリの旅行中、直感的にまた幾度か来ることになるだろうと思っていたので、彼女の店のオープン準備を手伝いたいと思いました。

二度目の渡仏は私が考えていたより遥かに早く、3月18日出発。
資金のことや、仕事、不安、家族の心配  諸々。
私の行きたい気持ちをさえぎるいろんな事情。
たくさん葛藤し、相当考えました。
でもやらずに後悔するのだけは絶対にいやだったし、どう考えても行くという選択しかないと思ったので、決意しました。

短期集中フランス語教室、部屋探し、飛行機チケット確保。

すごい勢いでいろんな事をしました。

そしてあらゆる準備が整い、念願のパリへ。