2011年8月30日

創世記 第六話 1


(作者からのお願い: このシリーズを初めてご覧になる方は恐れ入りますが創世記シリーズ第一話からご覧下さい)




強制退店。


強制(きょうせい)とは、相手が快諾しない物事を有無を言わせずに押し付ける事。また、 その物事を行うように命令する事。その物事を相手の許可なく行使すること。

by Wikipedia

さすがの私もピンチです。
ラッピングしかなかった私にこの職をなくす事は耐えられませんでした。

あぁぁぁ・・・やりすぎた。

今更ながら、腹をくくって課長に謝りに行ってみました。

予想はついてたものの、門前払い。

しかし、私は謝り続けた。

課長が一言。

「君、センスはあるんやから、それをもっと生かせる仕事したらええやないか。ここは百貨店や。」


ごもっとも。


私は、某文具用品会社の社員でしたから、この百貨店を退店になっても
異動というシステムで、他店に移らせてもらう事ができるのでした。
けれど、他の百貨店にはラッピングコーナーがないのです。
やっと手に入れた正社員という立場。
しかもまだ、たったの3ヶ月目。

いくら仕事と割り切っても、私には毎日もくもくと文房具を売るということが
考えられませんでした。
一度火がついたラッピング魂。

自分の失態で失った大切な職。


異動する?


いや、私はラッピング街道を突っ走る。
大型バイクをぶっとばしても、くずれないヤンキーのリーゼントのごとく
私の意志はくずれなかった。


まさか、退店 になったなんて親には言えず、(しかもふざけた理由で)
今時の若者のように
「合わないからやめた」
とシンプルな理由を言い、ボロカス叱られ、
私は、短すぎる社員生活に幕を閉じたのでした・・・



つづく