予期せぬ、プレゼント。
なんと、レザがエプロンをくれました!
すごくすごくうれしくて、飛び跳ねました。
ここで働いたという証。
私の誇りだ。
ちなみに“L’artisan fleuriste” とはフランス語で「花職人」。
私が作ったプチアレンジとブーケ。
どこの花屋でも同じですが、作り置きの商品は、余った花やあまり人気のない使いにくいもので作ります。
見栄えのいい花で可愛く作ることは簡単で誰でもできます。
私に与えられた花材・・・
胡蝶蘭の残り、グネグネに曲がったオオ二ソガラム、あらゆる箇所がちぎられたラン、枯れかけの菊、大阪のおばちゃんチックな真っ赤なカーネーション。
これで作れと?!
しかもプチアレンジ???
けど私は変態なので、無理難題を言われると燃えるのです。
最小限で最高のものを作ってやる!!!
私は、頭を空にしました。
そして花と向き合います。
「かわいくしてあげるからね」
と、心の中で話します。
花 と 私。
小さなアレンジを5個ぐらい作りました。
全部バリエーションを変えました。
そこに、お兄さんのマージンが。
びっくり顔のマージン。
「fable!」
「え?!何? Quel?」
マージンは私の辞書を引いて、見せてくれました。
そこには
“想像を絶する” と書かれていた。
一番うれしい褒め言葉だった。
そのあとそのアレンジは3つ続けて売れた。
売れるたびにスタッフが、にやっと笑いかけてくれる。
私はピースで答える。
日も暮れ始めた頃、マージンがおもむろに辞書をめくり始めた。
みんな、私に言いたいこと、教えたいことがあるときは、私が置いてるこの辞書をひいて伝え、発音も教えてくれる。
指差された、その箇所には
「 copain ・・・ 仲間 」
マージンは自分と私を指差す。
もう・・・泣かさんといてよ。
「 Merci !! 」
ぎゅっと抱き合い、私は外に出て、マージンにばれないように少し泣いた。
(マージンとジャンと私でサボテンのうえかえの図)