創世記 第二話
私の配属先は、“婦人用品課”の“婦人身の回り品係”の
ハンカチ・靴下売り場のハンカチコーナーでした。
面倒な前置きつきますが、百貨店ってそんなんです。
仕事内容は、ハンカチの商品陳列、整理、ディスプレイ、接客、
そしてそして、進物用のラッピング!!
ハンカチを綺麗に折って箱詰めし、あの百貨店特有の包装をして、お得意のリボンをキュッ。
包装はもうお手の物でした。
そのうち、ディスプレイに凝る様になり、ワイヤーでできた什器に
あらゆる結び方や魅せ方を披露したりするのですが、
まさにそれは私にとっての作品でした。
それでも当時の私にとっては仕事は二の次。
恋人との時間が何より大切でした。
結婚資金は徐々に貯まって行きました。
そんな生活を繰り返して約二年が経ちました。
ちょっとした変化がありました。
人事異動です。
私は、なんと化粧品売り場のレジ担当に!!
あのときの失望感は今でも鮮明に覚えてます。
この私がレジ!? ありえない。
しかしレジの人員不足で唯一動かせるコマがアルバイトという立場の
私だったのです。
無駄に抗議しましたが結果はむなしく、泣く泣くレジに・・・
あぁ、たいくつ。
動きたい。
眠くなる。
苦痛のオンパレード。
嫌々してるのでもちろんミスを連発。
異動させた部長が悪い、適性がないことくらいわかるやろ!
と、イライラが募る。
当時私は、本当に仕事をなめてました。
今思うとなんて最低な人間。
自称最低人間、認めたもののやっぱり向いてない。
体が拒絶反応するぐらい。
ストレスで胃がおかしい。
レジは売り場から離れた奥の隔離された場所にあるのです。
何か自分が本当に壊れそうでした。
どう考えてもやりがいを見出せません。
限界が来た私の心は叫びました。
もっとラッピングできるところに行きたい!!
と、思うと同時に私はまたもやタウンページを開き、
ラッピングコーナーが入っている百貨店に電話しました。
「募集してなかったのですが、何をみてお電話されましたか?」
と聞かれ、まさかタウンページです、なんていえるわけもなく適当な事
言いました。
そして面接にこぎつけ、
「いやぁ、すごいタイミングで来られましたね。実はちょうど募集をかける
前だったんです。ちょうどラッピングコーナーで1名辞めるスタッフが
いたので、本当にラッキーですね。」
と、驚かれ無事面接通りました☆
しかも!
管轄は“教養用品課” の “文具売り場” の
なんとなんと
ラッピングコーナー兼、画材コーナー担当。
ドンぴしゃり。
この言葉がぴったりの心境でした。
22歳 秋
つづく