確かな手応え、そして。
12日目を迎えた今日、
私は、いつものように作り置きのブーケを作っていました。
うれしいことに、出す度に売れて行きます。
フローリストとしての最高の瞬間です。
ああ、ここで売れるなら、きっと大丈夫だ・・・
そう、私は、将来オープンさせるつもりの自分の店をイメージしてました。
補充のブーケを作っていると、レザがじっと見ていいました。
「Chico 、 日本に帰らなくていい。ずっと、ここにいろ。」
スタッフも優しくうなずいている。
私は、この台詞を、最後の日に絶対言わせてみせる!!ということを
目標にしてました。
なので、今日、彼の口から本当に、その言葉がこぼれた時は、
感動とかより、びっくりで、うまく返せませんでした。
そう、私がこの店にいられるのはあと二日、
初めにレザと約束した2週間。
フランス語がほとんど話せない私を受け入れてくれた、レザとスタッフ。
私は、あと二日、全力投球するしかない。
そして、夜。
閉店準備をしていたら、
レザがまた話しかけてきた。
「君は、6月日本へ帰ったら、その後どうするの?」
「まだ分かりません。でも、将来、自分の店を持ちたいと考えてます」
「日本で?」
「はい。」
「パリでやる気はないの?」
パリで?
パリで店???
あまりにもびっくりで、ぽかん顔の私に
もし戻ってくるなら、連絡しろとレザは言いました。
私の頭の中は、ミキサーでかき混ぜられたかのようになりました。
そして、数分後、私の頭は、バージョンアップしたパソコンのように
重く、濃くなり
『パリで生きていくのかもしれない可能性』
が新しいカテゴリに加わってしまいました。
生涯の仕事 花 そして 芸術。
32歳の今、一つの区切りとして、
今後の方向性を正しく定める答えを見つける為に、再度パリに来ました。
きっと見出せると信じてる。
残り、2ヶ月。
どんな展開が待ってるんだろう。
(本日、作ったいろいろ)